「医療経営士3級の試験、どこから手をつけていいか分からない…」
実はこれ、受験を考えたときに多くの人が最初にぶつかる壁です。私もまさにその一人でした。
前回の記事では、「医療経営士とは何か」について、医療職の立場から見て書きました。

今回はその流れで、実際に3級をどうやって取得したのか、私の体験をベースにご紹介します。
1. 医療経営士3級の試験勉強を始めた時期とスケジュール感
私が勉強を始めたのは試験の2ヶ月前でした。
仕事終わりに1〜2時間ずつ程、平日はなるべく机に向かうようにしていました。
土日は少し多めに時間を取れるように意識しましたが、正直「ガッツリ勉強!」というほどではありません。
2. 使用した教材と正直な感想
最初は公式のテキストを中心に勉強しましたが……これが正直、全然頭に入ってこない。
確か2冊くらいで読むのを辞めてしまったと思います。(本当はよくないと思いますが……)
文字ばかりで読みづらく、特に医療制度や保険関連の項目は眠くなるほど難解でした。
そんな中で、救いだったのが『なるほど、なっとく医療経営Q&A50』。
Q&A形式でテンポよく読め、感覚的に理解しやすかったので、テキストで挫折しかけている方にはこちらが圧倒的におすすめです。
そして、最も勉強に役立ったのが、“らいおん”さんが運営する 「メディマネ」 という医療経営士向けの学習ブログです。
対話形式の記事がとても分かりやすく、内容もコンパクトにまとまっているので、スキマ時間でも読み進められます。
特にメディマネのスマホ対応問題集は大変便利で、通勤時間や仕事の合間にサクッと復習できました。アウトプットすることで内容の定着も早まります。
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3. 医療経営士3級の試験に医療職は有利なのか?
受験に職種は関係ありません。合格点に到達しなければ落ちます。
とはいえ、私は医療者としてある程度「診療報酬」や「医療制度」のバックグラウンドがあったため、完全な初学者よりは理解しやすかったと感じます。
ただし、内容の一部は医療職でも普段ほとんど触れない分野が含まれており、決して油断はできません。
たとえば、病院の各病床の種類や、廊下の幅に関する規定など、正直それまで知識ゼロでしたし、考えたことすらありませんでした。
医療者であっても、試験範囲は“医療経営”という別の視点からの出題が多いため、幅広く丁寧に勉強することが大切だと思います。
4. 医療経営士3級の試験当日の様子と注意点
私が受験したのは東京・品川の会場。受験者数はおよそ1,000人と多めでしたが、空席も目立っていたのが印象的でした。
受験費用も決して安くはないので、会社や病院から補助を受けて受験したものの、欠席した方も一定数いたのではと感じました。
年齢層は若い方から年配の方まで、医療職だけでなく事務職や経営層のような方もいたように見受けられました。
注意しておきたいのが、合格率は30%台と決して高くないうえに“相対評価”であること。
つまり、「〇点取ればOK」ではなく、全体の中でどれだけ得点できたかが評価されるため、毎回の受験者のレベルによって合格ラインが変動します。
これはおそらく、資格の希少性や信頼性を維持するために、協会がある程度調整しているものと思われます。
なお、試験問題の復元や共有は著作権法上NGですので、SNSなどで「過去問は○○」と投稿したり、Kindle等で販売したりするのは避けましょう。
ちなみに、「えっ、この分野も出るの?」と驚いた項目もありました。
そのあたりは別の記事で詳しくご紹介していく予定ですので、よろしければそちらもぜひご覧ください。
5. ちなみにこの資格を持ってる医師は周りにいる?
正直なところ……私の周囲では、この資格を取った医師にはまだ出会ったことがありません(笑)。
もちろんゼロではなくて、たとえば“メディマネ”を運営されているらいおんさんは、プロフィールに「医師」と記載されていましたし、
またクリニックの院長経歴などで医療経営士を取得されている例も時折見かけます。
ただ、まだまだ医師では「珍しい部類の資格」という印象です。
医療経営士は2級、1級とさらに上のグレードがありますが、当然ながら難易度も上がります。
私自身も受験を検討はしていますが……しばらくは様子見、というのが正直なところです。
6. 医療経営士3級の資格をとったら年収は変わるか?
結論から言うと、資格を取ったからといって、すぐに年収が上がるわけではありません。
特に医療経営士3級は“基礎レベル”の位置づけです。
本格的に知識を深めて活かすには、2級、1級とステップアップしていく必要があります。
ただし、“肩書き社会”の日本では、「経営の基礎知識がある人」と評価されるのは事実です。
たとえば、経営層やマネジメント側と話す場面で、「なんとなく聞いている」から「ちゃんと話せる」に変わるだけで、信頼や発言力に差が出てきます。
実際の昇進や役職のチャンスに直結するかどうかは職場によりますが、キャリアの選択肢や可能性が広がることは間違いありません。
7. まとめ:ゆるく、でも続けて取り組めば十分合格は目指せる
忙しい医療職であっても、一日1〜2時間の学習をコツコツ続ければ、医療経営士3級の合格は十分に目指せます。
ただし、非医療者の方にとっては、医療制度や診療報酬などの専門用語に慣れるのに少し時間がかかるかもしれません。
その分、早めに取り組んで基礎から丁寧に進めることが大切です。
いずれにしても、地道な継続が一番の近道だと感じました。
これから受験を検討している方にとって、体験談が少しでも参考になれば嬉しいです。