今回は「医療経営士3級試験で感じた盲点シリーズ」の第二弾として、「オンライン資格確認」について書いてみます。
正直に言います。これ、全然わかりませんでした。
「オンラインで資格を確認する……何の??」
試験中、選択肢を見てもピンと来ず、何を問われているのかすら曖昧。
試験後に答え合わせをしても「ああ、そういう仕組みだったのか……」と首をかしげたまま終わりました。
医療事務やクリニックで働く方は当然の知識なのかもしれません。
でも、これ、これからの医療現場で確実に関わってくる制度です。
ということで、今回は自分へのおさらいも兼ねて、「オンライン資格確認とは何か?」を基礎から整理してみたいと思います。

私がもう少し勉強しておけばよかったと感じた出題範囲を解説しています
この記事では以下の項目に関してそれぞれ説明しています。
〈まとめ〉|これだけは覚えておいた方がいい!
・オンライン資格確認とは患者の保険資格(保険証情報)を、医療機関がオンラインで確認できる仕組み
・マイナンバーカードを顔認証付きカードリーダーにかざすことで利用可能
・2023年以降、原則全ての医療機関で導入を義務化
・2025年に新規保険証の発行は終了、利用も2025年12月末で終了
・目的は主に「医療費の適正化」「医療現場の効率化」「医療情報の一元管理」
それでは各項目について説明していきます。
1. オンライン資格確認ってなに?
最近、病院や薬局で「マイナンバーカードをご提示ください」と言われる場面が増えていませんか?
それこそが、「オンライン資格確認」の導入による変化です。
ざっくり言うと、患者さんの保険資格(保険証情報)を、医療機関や薬局がオンラインで確認できる仕組みのことです。
これまでは、受付で健康保険証を預かり、
- 有効期限を目視で確認
- 保険者番号などを手入力
といった流れでした。しかしこの手作業には、以下のような問題点がありました:
- 入力ミスや確認漏れが起きやすい
- 保険証の有効期限切れに気づかない
- 請求エラーが発生し、再請求が必要になる
- 職員や患者の手間が増える
こうした課題を解消するために、2021年から本格導入が始まったのが「オンライン資格確認」です。
そして、2023年以降は原則としてすべての医療機関・薬局に導入が義務化されました。
マイナンバーカードを持っていれば、顔認証付きカードリーダーにかざすことで、保険資格の情報が即時に取得されます。
もちろん従来の保険証でも一部のオンライン資格確認は可能ですが、制度の方向性としてはマイナンバーカードの利用が前提です。
実は、今使っている健康保険証にも大きな変化があります。
- 2025年から新規の健康保険証は発行停止
- 現在の保険証も2025年12月で使用終了予定
つまり、2026年からはマイナンバーカードによる資格確認が当たり前の時代になります。
2. なぜオンライン資格確認が重要なのか
では、なぜ政府はここまで急ピッチでオンライン資格確認の導入を進めているのでしょうか?
それは、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、マイナンバーカードによる保険証利用を国の基盤インフラと位置づけているからです。
オンライン資格確認を推進する背景には、以下のような目的があります:
- 医療費の適正化:保険証の不正利用や請求ミスを防止
- 医療現場の効率化:資格確認の手間を削減し、受付・請求業務を簡素化
- 医療情報の一元管理:複数の医療機関で患者情報を安全に共有可能に
また、オンライン資格確認は、医療機関側だけでなく患者側にもメリットがあります。
たとえば、過去の診療歴や薬剤情報が共有され、重複処方の防止や適切な治療につながりやすいです。
将来的には、これまで紙やFAXでやり取りしていた診療情報提供書や診断書なども、電子的に医療機関間で連携される時代が訪れかもしれません。
3. まとめ
オンライン資格確認は単なる「保険証確認の効率化」ではなく、医療全体のデジタル基盤を支える鍵となる仕組みです。
医療経営士にとっては、「制度対応」としてだけでなく、将来の医療連携や患者サービスの向上を見据えた視点でも押さえておきたいテーマだと改めて実感しました。